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税理士業界について

税理士業界の現状

税理士は、法律系資格の中でも難関資格に位置する非常に高度な専門職です。
主な業務は会計事務所や税理士事務所に勤務をして、個人または中小企業などの税務処理を代行して行います。

読書

税理士としての仕事は税理士法によって厳密に定められており、資格を所有する人でなければ行うことができないという独占業務です。
そのためかつては資格を取得することで他の人にはできない専門的な仕事が担当できる、安定的な人気職として学生から目標にされてきました。

しかしここ近年、税理士の国家試験の受験者数が激減する傾向にあります。
これはかつて税理士という職業が人気があった時期に非常に多くの人が受験し、また資格を取得したことにより過当競争状態が生まれてしまったという背景があるためです。

かつて税理士というと資格者そのものが少なかったことから、開業をすれば特に宣伝や営業をしなくても持ち回りで仕事を受けることができるという状態にありました。

そこへ急激に税理士資格者が増加したことにより、税理士同士での競争が激しくなったのです。
せっかく苦労をして資格を取得したのに、収入は一般の会社員と同等かそれ以下というようなことも起こってしまいました。

特に人口密集地域である東京・大阪圏では競争が厳しく、税理士として業務を行っている人の2/3がこのいずれかにいます。
さらに上位資格である公認会計士は税理士の業務を行うことができるとされているので、公認会計士がいる地域では税理士の仕事が取りづらいという状況も生まれているのです。

将来性、転職市場の状況

既存の税理士事務所であっても、将来に渡り顧客を維持し続けることができるかというとはっきり安全であるとは言えません。
というのも地方などでは中小企業や自営業が主な顧客となる一方で、そうした小さな会社が年間6%ずつ廃業しているという状況があるからです。

新規顧客を獲得しつづけていかないと現状維持も難しいというのが税理士事務所の現状であり、従来までのような税理業務だけでなく、コンサルティング業務など多角的な提案ができる人材を目指す必要があります。

その一方で大きな会計事務所では逆に人材不足に困っているという状況もあり、資格者はどこでどのように働くかを考えながら勤務先を選んでいくことが大切になってくるでしょう。

税理業務そのものは、便利な一般向け会計ソフトが安価で販売されるようになってきたことにより、青色申告などを自分で行う個人の人も増えてきています。
税理士としてどのような仕事をしていくかは、大きな転換期を迎えているのです。

とはいえ完全になくなる産業というわけでもありませんので、いかにして顧客の心を掴む営業ができるかということが生き残りの鍵になってくるでしょう。