レストラン業界について
レストラン業界の現状
外食産業が停滞傾向にある一方で、ファミリーレストランは堅調な売上のまま推移しています。
10年ほど前には低価格路線が広く受け入れられたファミリーレストランでしたが、現在では逆に健康志向から、安いだけのお店というのは流行りにくいという傾向が見られるようになりました。
健康志向を全面に打ち出したメニューを提供しているチェーンレストランも多く、業界全体で利用客数および客単価がともに上昇傾向にあります。
この背景として女性の社会進出や核家族化といったことが指摘されており、気軽に毎日利用できるファミリーレストランは地域にとっても非常に貴重な存在となっているのです。
一方で人材不足の問題は飲食業界全体で慢性化しており、それが人件費を押し上げる要因にもなっています。
レストラン業界にとって一番の競合となっているのはコンビニやスーパー、デパ地下で購入できる「中食」で、顧客のニーズをどうとらえていくか、ということが大きな問題となるでしょう。
また円安傾向により輸入食材の価格が高騰してしまったり、天候により不作となった年では食材の不足が起こるなどのリスク要因もあります。
口蹄疫や鳥インフルエンザなどにより食材が全く入ってこなくなるという事件も過去には起こっており、そうしたことにどう対応していくかがレストラン業界にとっての危機管理対策につながっていくのです。
将来性、転職市場の状況
レストラン業界ではチェーン系ファミリーレストランの他、寿司や焼き肉など特定の飲食物を提供する専門店も多く営業しています。
地方などでは個人経営の飲食店を多く見かけることができますが、飲食業界全体として見るとかなり厳しい状況に置かれています。
新しく飲食店をオープンさせてもそのうち35%程度は1年以内に閉店となるというデータもあるほどです。
大手飲食店企業としては、すかいらーくやサイゼリア、セブン&アイ・フードシステム、ロイヤルホールディングスなどです。
現在のところこうした有名ファミレスは全国的に堅調ですが、消費税増税が行われた年には大きく売上を落とすという法則がこれまで何度もあったことから、今後大きな波が来ることが懸念されます。
求人状況としてはかなり多く、就職説明会などでも飲食店大手が力を入れた活動をしていることが分かるでしょう。
学生時代にアルバイトとして飲食店を経験した人も多いと思いますが、正社員として雇用された場合には、お店を統括する立場としてそうしたバイトをまとめていくことになります。
しかし売上がなければ即閉店という厳しい業界ですので、チェーン系といえども店長クラスとして仕事をしていくのはかなり難しいということは理解しておくべきでしょう。