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原子力業界について

原子力業界の現状

3.11以降、原子力産業は大きな方向転換を迫られることになりました。
東京電力福島第一原発事故を受け、現在もなお原子力発電所の再稼働ができないままになっているところが多くあります。

原子力発電所の建築されている地域では選挙の争点として原発再稼働が大きな焦点となっています。
このまま完全に「脱原発」とするのか、それともエネルギー資源確保のために再稼働を推進していくのか非常に難しい問題なのです。

ただ日本国内においては脱原発の動きが高まっている一方で、世界的に原子力ビジネスは大きな動きとなっており、日本国内の企業も多く海外への原発輸出を推進しているのが現状です。

ちなみに全世界を合わせてみても、原子炉の設計・建築ができるのは5グループしかありません。
そのうち3つが日本企業を含む連合グループとなっていることから、国家戦略としても原発事業は依然として大きな位置づけになっているということが分かります。

この3つのグループとは「東芝・WH連合」「GETTING・日立連合」「三菱重工・アレバ連合」です。

さらに言うと日本製鋼所は原子力圧力容器や蒸気発生器といった原子炉の主要部分に関わる鋼材部について、世界の約8割のシェアを占めています。
原子炉に用いられている技術は高度な兵器にも応用ができることから、国防上も原子力産業は単純に衰退させていくということに問題があるのです。

一方で原子炉は稼働から40年程度で稼働を終了させるということになっており、さらに廃炉にするには30年がかかるとされています。
日本で初期に作られた原子力発電所が寿命を迎える時期が来ており、今後はどのように廃炉にしていくかということが問われるでしょう。

将来性、転職市場の状況

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かつては科学技術の最高峰として花形産業として持ち上げられてきた原子力業界ですが、以前までの人気は感じられなくなってしまいました。
とはいえ廃炉に関する技術はまだまだ完全に確立したわけではなく、今後も優秀な研究者により技術開発がされていく必要があります。
既に深刻な人材不足が原子力業界全体に起こっており、全国の原子力関連団体や企業は各地で就職セミナーを頻繁に開催しています。

社会的に非常に悪いイメージのつきまとう原子力産業ですが、その一方で震災を経験したことにより「地元を守りたい」という使命感から原子力関連業を志す若い世代も多く見られるようになりました。
全体的な傾向として、原子力に関する専攻をした人材からの求人応募が増える一方、それ以外の学部学科からの応募数が激減しているということが言えます。

既に原発再稼働が決定している九州電力や関西電力、四国電力では募集人数も増えており、新たな原子力産業の担い手の育成が期待されているのです。